五箇山・悠久紙
先日、富山の五箇山にある悠久紙を取材に訪れました。五箇山は岐阜の白川郷と共に世界遺産に登録されている場所です。

悠久紙を作る宮本さんは、和紙の原料である楮(こうぞ)とトトロアオイを自家栽培して和紙を漉き続けている職人です。全国にある和紙工房の中で、実は純粋な和紙を作っている工房は少なく、原料を中国から輸入したり、木材パルプを混ぜたり、化学薬品を使ったりするのが普通になっています。しかしそれでは繊維が痛み、強度が落ちるため、和紙本来の1000年以上の耐用年数を得ることができません。


また、宮本さんは雪の上に和紙の原料を晒して漂白する「雪晒し」という技法で、漂白剤も使用しません。耐久性のある和紙に重要なことは、100%自然素材で、自然の環境の中で作られることです。厳しい自然の中から生まれた悠久紙は、その強度から桂離宮などの重要文化財の修復にも使われています。





五箇山はどこにいても水の音が聞こえる、水に守られた素晴らしい土地で、和紙は水から生まれるということを実感した取材でした。
悠久紙の取材は今後も続け、ドキュメンタリーを制作していきます。